機能を追求、
働くモチベーションも上がる倉庫兼事務所
建物自体がロータリーのような機能をはたすモノづくりの町、東大阪市にある倉庫兼事務所。人やモノの導線を考慮した設計だけでなく、屋上庭園やカラーリングなど働く人の心へも配慮した施設。
高山商店東大阪営業所
倉庫兼事務所 | RC | 東大阪市
固定概念にとらわれない新しい倉庫
モノづくりの町、東大阪市楠根の交差点北西角地にある塗料の卸売り販売会社の配送倉庫兼事務所です。
交差点から進入して、一方通行で南の道路に出る4tトラックの軌跡により楕円の平面が生まれました。車路以外は極力緑化して、桜やクスノキなどの樹木を植え、街並みに潤いを。卵の殻のような白い外壁は、汚れにくい外壁用塗料のデモンストレーションでもあります。扉の色は、北(パープル)、北東(水色)、東(グリーン)西(イエロー)といった方角のイメージで配色。
機能的であることはもちろん、
働くひとの「心地よさ」にも配慮
1階手前は、危険物倉庫。 1階奥が普通倉庫。メインの搬入口は、大きな庇を設けて、荷物の上げ下ろしをしやすく。 出入り口に空調付き小さな事務室。丸窓2つで、駐車場の様子を確認できます。 普通倉庫は、打ち放し仕上げですが、床はタイヤで削れないよう、浸透性の強化剤塗り。2本のφ600の柱に支えられたフラットスラブですっきりした天井に。 アールの壁に沿った鉄骨階段は上り下りしやすいよう緩やかに。踏面はデッキ材。 ガラスのペントハウスの光が壁を伝って落ちてきて、屋上の気持ちよさを感じらるようにしています。
2階は、フォークリフトから直接荷揚げできるフリースペースと、空調のあるオフィス。 オフィス側の壁に間伐材をセメントで固めたモクセン板を打ち込んで、遮熱、断熱、防火、防露、防音性能をもつ仕上げとしました。 階段下のアール部分と、オフィス内のキッチンとロッカールーム周りには、羽目板張り、自然木により安らげる空間を目指しました。 階段や吹き抜け周りの手すりもスティールで、軽く見せつつ、手に触れる部分は、木で作られています。
一年中安定した光がはいるように窓は小さめで、平面に似合うようにφ300の丸。残りはトップライトから採光。楕円の映像が途切れないように、細いスティール枠に支えられた床から天井までのガラス間仕切りと モデュロールのグリッドが入った木製フラッシュのスライドドアを取り付けました。ガラスが楕円の長辺、短辺のそれぞれ中央に位置して、鏡のように反射します。
床は、土足でも汚れにくい防汚仕様のカーペット張り。 オフィス中央は50ミリの配線スペースがあります。階段下は手前から、収納庫、男子トイレ、洗面、女子トイレと並びます。トイレの内側の円弧は、緑のタイル張り(一部メラミン板張り)。それぞれのブースの真ん中に丸窓がくるように。
屋上の回遊庭園はリラックススペースに
屋上は、回遊式の庭園。樹木や草花が植えられて、木陰をつくる憩いの場になるように。 木製ベンチは傷みにくいようデッキ材でしつらえ、遊歩道部分は土舗装。 樹木は、シラカシ、オリーブ、アオダモ、低木の春を知らせるユキヤナギや香りの良いコクチナシ、梅雨に咲くアナベルを植え、四季によって移ろう自然を楽しめます。丈夫できれいなブルーの花のツルニチニチソウ、黄色い花のヒペリカムなど18種類の自然の野原のような草花たち。屋上の周りにはプランターを設けて、下垂するヘデラを3種類混植し、外観にやさしい表情を持たせることを目指しています。